Radio France International [VGC-RM51D]
インターネットが普及する前の情報収集といえば 短波放送であった。 特に Radio Frnace International (RFI) は至高の情報源であった。1970年代終わりから 1980年代初めにかけて BCL ブームもありよく聞いていた。日本では正午付近に、ローカルラジオよりはっきり聞こえる日もあった。
RFI の番組と番組の間で、とてもテンポのよいフランスらしいテーマ曲が流れていた。
その小節の区切りに
"Vous etes a l'ecoute de Radio France International"
"Vous ecoutez La Radio France International"
という、アナウンスが絶妙のタイミングで聞こえていた。
それから 30年の時を経て、その曲が アルゼンチンの Bebu Silvetti の "Spring Rain" だとわかった。しかも 1977年の曲だという。少なくとも 1979 -- 1983 まで RFI の聞いていたので、その間ずっとこの曲が使われていたと思う。
アルゼンチンはスペイン語圏だからフランスに近いのかもしれないが、このリズムは春の訪れのワクワク感と、冬の終わりのどことなく物悲しい雰囲気に満ちているので、間違いなくフランス的だと思っていた。2007年ごろ「電気グループ」が "Shangri-La" という曲で、サンプリングしたのをラジオで聞いた時は、オリジナルとは別の世界だと、ボーカルをマスクして聞いていた。
"Voice Of America" (VOA) は、どちらかというと一方的な情報が多かったのに対し RFI は ディベートが多く、マイクロプロセッサの普及が、社会に与えるインパクトを知る上で多角的に浮き彫りにしていたと思う。特に クルマに関しては、いまの家電芸人並みの、盛り上がりであった。
コンピュータ関連は、辞書にもでてこない単語が、どんどん出てきて、ある意味楽しかったのを覚えている。
ハードウェア --> physicier
ソフトウェア --> logicier
プロセッサ --> microordinateur
パソコン --> ordinateur personnel
最近はフランスの技術者も、テクニカルな問題では 「フランス語は忘れた」というぐらい英語でしか喋らなくなったと思う。それでも、フランス伝統の解析学の手法が、ソフトウェアの世界でも匂うような気がする。
そういえば 1982 年のワールドカップは RFI で聞いていた。ラジオのサッカー中継は大変だと思うが、ボールの位置ではなく、プラティニが今どこにいるかを随時アナウンスしていたと思う。西ドイツとの引き分けの試合は、あまりのスピードで、ほとんど聞き取れなかったのを覚えている。
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